【もう怒らない】子ども部屋が散らからない片付けのコツ|収納術と教え方の全知識

「何度言っても子ども部屋が片付かない…」
「片付けても、すぐに元通りに散らかってしまう…」

子どもの部屋の片付けは、多くのご家庭が抱える共通の悩みです。つい感情的に「片付けなさい!」と叱ってしまい、親子で疲弊してしまうことも少なくありません。

しかし、子どもが部屋を片付けられないのには、実ははっきりとした理由があります。その理由を理解し、子どもが「自分で片付けられる仕組み」を作ってあげることが、根本的な解決への一番の近道です。

この記事では、子どもが片付けられない理由の分析から、散らかりにくい部屋作りのポイント、そして片付けを習慣化させるための具体的な教え方まで、網羅的に解説します。

この記事でわかること【目次】

  1. なぜ?子どもが部屋を片付けられない3つの根本的な理由
  2. 親がやるべき準備編:子どもが「片付けられる部屋」を作る3つのステップ
  3. 子どもへの実践編:「片付けなさい」と言わずに自分でやらせる3つのコツ
  4. モノとの上手な付き合い方:不要なものを処分する際のポイント
  5. 子ども部屋の片付けに関するよくある質問

この記事を最後まで読めば、叱る回数が減り、子どもの自主性を育む片付けのヒントがきっと見つかります。

1.なぜ?子どもが部屋を片付けられない3つの根本的な理由

まず、なぜ子どもは部屋を片付けられないのか、その背景を理解しましょう。これは、子どもの性格ややる気だけの問題ではありません。

理由1:そもそも「片付けのやり方」を知らない

大人が思う「片付け」とは、実は以下のような複数の工程から成り立つ高度な作業です。

  1. 全てのモノを出す(全体量を把握する)
  2. 「いるモノ」と「いらないモノ」に分ける
  3. 「いらないモノ」を処分する
  4. 「いるモノ」の定位置(置き場所)を決める
  5. 定位置に戻す

子どもに「片付けて」とだけ伝えても、子どもにできるのはせいぜい最後の「5. 定位置に戻す」だけです。1から4までの工程が完了していない部屋では、子どもは何をどうすればいいのか分からず、途方に暮れてしまうのです。

理由2:片付けのハードルが高すぎる

モノが多すぎる、収納場所が複雑、おもちゃの箱が重くて持ち上がらないなど、物理的に片付けのハードルが高いケースも多くあります。「おもちゃを箱に戻す」という単純な作業でも、その箱が高い場所にあったり、複数の箱に分類しなければならなかったりすると、子どもにとっては非常に難しい作業になります。

理由3:自分のものであるという意識が薄い

特に幼い子どもの場合、おもちゃや服は親が買い与えたものであり、「自分の所有物を自分で管理する」という意識がまだ育っていません。そのため、モノを大切に扱ったり、責任を持って管理したりする必要性を感じにくいのです。

2.親がやるべき準備編:子どもが「片付けられる部屋」を作る3つのステップ

子どもに片付けを教える前に、まず親が「子どもでも片付けられる環境」を整えることが不可欠です。以下の3つのステップで、部屋の仕組み作りから始めましょう。

ステップ1:親子で一緒に「モノの仕分け」をする

まず、部屋にあるモノを一度全て出し、「今使っているモノ」「思い出のモノ」「もう使わないモノ」の3つに分けます。この時、絶対に親が勝手に捨てないことが重要です。

「これはもう遊んでないかな?」「この服は小さくなったね」と、子どもに一つひとつ確認しながら進めましょう。子ども自身に判断させることで、モノへの責任感が芽生えます。大人から見てガラクタでも、子どもにとっては宝物かもしれません。その気持ちを尊重してあげましょう。

ステップ2:「放り込むだけ」の簡単な収納を作る

子どもの収納の基本は「簡単さ」です。細かく分類しすぎず、ざっくりとグループ分けできる収納を用意しましょう。

  • ラベリング:箱の正面に、中身が分かるように「ぬいぐるみ」「つみき」といった文字やイラストのラベルを貼ります。
  • ワンアクション収納:フタを開けて、仕切りを分けて…といった複雑なものではなく、フタのないカゴや引き出しに「放り込むだけ」で済む仕組みが最適です。
  • 定位置の決定:床にマスキングテープで駐車場のようにおもちゃ箱の置き場所をマーキングするなど、視覚的に定位置が分かるように工夫します。

ステップ3:「思い出ボックス」を用意する

工作の作品や、もう遊ばないけれど捨てられないおもちゃなど、子どもにとって大切な「思い出のモノ」は、無理に処分させる必要はありません。代わりに「思い出ボックス」を一つ用意し、「この箱に入るだけは取っておいていいよ」というルールを設けましょう。これにより、際限なくモノが増えるのを防ぎつつ、子どもの気持ちも大切にできます。

3.子どもへの実践編:「片付けなさい」と言わずに自分でやらせる3つのコツ

環境が整ったら、いよいよ片付けの習慣づけです。感情的に叱るのではなく、ゲーム感覚で楽しく取り組めるような声かけを工夫しましょう。

コツ1:指示を具体的に、かつ一つずつ出す

曖昧な「片付けて」ではなく、「赤いブロックを、あの青い箱に集めよう」「絵本を3冊だけ本棚に戻してきて」のように、子どもがすぐに行動に移せる具体的な指示を出します。一度に多くの指示を出すと混乱するので、一つできたら褒めて、次の指示を出すのがポイントです。

コツ2:片付けをゲームや競争にする

「どっちが早くお人形をおうちに帰せるか競争!」「この曲が終わるまでにお片付けしよう!」など、片付け自体を楽しいイベントにしてしまいましょう。「おもちゃたち、おうちに帰りたがってるよ」といった物語性のある声かけも効果的です。

コツ3:親が楽しそうに片付ける姿を見せる

子どもは親の真似をします。親がため息をつきながら嫌々片付けをしていれば、子どもも「片付け=嫌なこと」と学習してしまいます。まずはリビングなど共有スペースで、親が機嫌よく片付けをする姿を日常的に見せることが、何よりの教育になります。

4.モノとの上手な付き合い方:不要なものを処分する際のポイント

仕分けで出た「もう使わないモノ」の処分は、モノの大切さを教える絶好の機会です。

  • 新しいものを買うときのルール作り:「新しいおもちゃを一つ買ったら、古いおもちゃを一つ選んで『ありがとう』をしようね」というルールを設けることで、モノには限りがあることを学べます。
  • 売却を経験させる:まだ使える服やおもちゃは、フリマアプリやリサイクルショップで親子で一緒に売ってみるのも良い経験です。「いらないと思っていたものがお金に変わる」「そのお金でまた新しいものが買える」という経験は、モノの価値を理解する助けになります。
  • 思い出のモノは厳選・加工する:絵や工作はすべて取っておくと膨大な量になります。写真を撮ってデータで保存したり、特に気に入っているものだけをファイリングしたりして、現物は定期的に見直しましょう。

5. 子ども部屋の片付けに関するよくある質問

Q. つい、おもちゃを買い与えすぎてしまいます。
A. モノを減らすことも大切ですが、入り口を管理することも同じくらい重要です。「本当に必要か」「すぐに飽きないか」「どこに置くか」を、購入前に子どもと一緒に考える習慣をつけましょう。
Q. きれいなベビー服などがもったいなくて捨てられません。
A. 状態の良いものは、フリマアプリで売ったり、地域のバザーに出したり、寄付を受け付けている団体に送ったりする方法があります。誰かにまた使ってもらえると思うと、手放しやすくなります。
Q. おもちゃを高く売るコツはありますか?
A. 外箱、説明書、付属品がすべて揃っていると査定額が上がります。また、人気キャラクターのものは放送中など、ブームが去らないうちに早めに売るのがポイントです。売る前にきれいに掃除しておくことも大切です。

まとめ:焦らず、子どもの成長に合わせて仕組みを見直しましょう

子ども部屋の片付けは、一度で完璧に終わるものではありません。子どもの成長に合わせて、モノの量や収納方法を定期的に見直していくことが大切です。
何よりも重要なのは、親が片付けを「問題」として捉えるのではなく、子どもが自立していくための「学びの機会」と捉えることです。

今回ご紹介したヒントを参考に、叱る片付けから、親子で一緒に成長できる片付けへとシフトしてみてください。