
福祉整理とは何か? 目的や業者に依頼する方法、注意点などを解説!
「親や兄弟が高齢になり、家の片づけがうまくできなくなった」「1人暮らしの家族が病気で、身の回りの始末ができなくなってる」という悩みを抱えている人は多いことでしょう。特に、賃貸物件の場合はゴミ屋敷や汚部屋を作ってしまうと、退去するときに多額の清掃費用を請求されることもあります。そんなときに利用ししたいのが、「福祉整理」です。
今回は、福祉整理の内容や依頼するメリットを紹介しましょう。
この記事を読めば、福祉整理を利用する方法も分かります。福祉整理について詳しく知りたい人は必見です。
1.福祉整理とは何か?
はじめに、福祉整理の定義やよく似た生前整理との違いを紹介します。
1-1.福祉整理とは自分で片づけができない人に対して行う
福祉整理とは、高齢や病気などが理由で身の回りの世話が十分にできなくなった人を対象に行う片づけや整理のことです。一般的なハウスクリーニングや汚部屋の片づけとやることは一緒ですが、対象となる人が限られているので「福祉整理」と呼ばれています。
1-2.遺品整理との違い
福祉整理で行うのは、不用品の片づけと処分、必要なものの整理整頓などです。ものの持ち主ではなく、家族や親族が業者に依頼して行うこともあります。その点では、遺品整理と同様ですが、持ち主が生きているうちに行うので遺品整理と区別して「福祉整理」と呼ばれているのです。
1-3.ちょっとした片づけからゴミ屋敷整理まで行う
福祉整理を必要としている人は、高齢や病気のため身の回りのことができなくなっているケースがほとんどです。ですから、ちょっとした片づけからゴミ屋敷の整理まで「福祉整理」の範疇(はんちゅう)は広くなっています。家族が行うこともあれば、専門の業者が行うこともあるでしょう。
1-4.福祉整理の目的はよりよい生活のため
福祉整理は、福祉の手助けを必要としている人が、より快適に生活できるように行うものです。整理整頓ができなければ生活環境が不潔になり、転倒などケガの危険も増します。また、ゴミ屋敷や汚部屋になると家そのものが傷む可能性もあるでしょう。それを防ぐためにも、福祉整理は重要です。
2.福祉整理は介護や入院をきっかけに行うことが多い
福祉整理は、以下のようなときに行われることが多くなっています。
- 本人が在宅介護をヘルパーなどに受けることになった
- 本人が、ケアハウスなどの施設に入所することになった
- 本人が長期入院することになった
- 本人の生活環境が悪化した
つまり、本人の生活環境の変化がきっかけで行うことが多いでしょう。また、ゴミ屋敷や汚部屋の住人に片づけを交渉しようとしたら高齢や病気が理由だった場合、それがきっかけで福祉整理が入ることがあります。
3.福祉整理を業者に依頼する方法と注意点
この項では、福祉整理を業者に依頼する方法やメリット、業者の選び方を紹介します。
3-1.業者に依頼すれば家族や親族の負担が減る
家族や親族が高齢や病気を理由に身の回りのことができなくなると、周りの人の負担は増大します。部屋の整理整頓や持ちものの片づけまで手が回らなくなることもあるでしょう。業者に依頼すれば、家族や親族の負担を減らすことが可能です。
3-2.部屋が一度に片づく
汚部屋やゴミ屋敷を作ってしまうと、完全に片づけが終わるまで時間がかかります。また、不用品の分別やゴミ出しも大変です業者に依頼すれば、一度で整理整頓してくれるうえ、ゴミの回収もしてくれるでしょう。ゴミの分別やゴミ出しの手間もかかりません。
3-3.福祉整理の費用は部屋の広さとゴミの量で決まる
福祉整理の費用は、一般的なハウスクリーニングや汚部屋掃除と同じように、部屋の広さとゴミの量で決まります。部屋が広くゴミの量が多いほど高額になるでしょう。福祉整理はまだ新しい分野なので、費用相場が明確に決まっていません。ですから、複数の業者に見積もりを作ってもらい、比べてみるのもおすすめです。
3-4.悪徳業者の見分け方
福祉整理を行う業者の中にも、悪徳業者は存在します。以下のような特徴を持つ業者は注意しましょう。
- 熱心にセールスの電話をかけてくる
- 理由をつけて見積もりを作らない、もしくは見積もりがいいかげん
- 家まで下見にやってこない、もしくはやってきてもろくに確認しない
- 貴金属や宝石など、換金性の高いものをしつこく出すように求める
- 実績が確認できない
- 口コミサイトには短期間に高評価が集中している
- 契約を急がせる
また、高齢や病気で判断力が低下している本人に契約をしようと迫る業者も利用しないほうがいいでしょう。
4.福祉整理に関するよくある質問
この項では、福祉整理に関する質問を紹介します。
Q.福祉整理は一般的なハウスクリーニング業者にも依頼できるでしょうか?
A.はい。ただし、業者によっては「本人でなければ依頼できない」という業者もあります。また、汚部屋やゴミ屋敷を作った場合は、専門業者にでないと片づけができません。
Q.福祉整理は、どの程度の片づけからいらいできるでしょうか?
A.業者によって異なるので、まずは業者を見つけて相談してください。
Q.本人が片づけを嫌がった場合でも利用できますか?
A.はい。それによって悪臭などの被害が出ているならば、ぜひ利用しましょう。
Q.福祉整理に介護保険は使えますか?
A.残念ですが、今のところは適用になりません。
Q.福祉整理の業者はどこまで出張してくれるでしょうか?
A.ほとんどの業者で対応エリアが決まっています。多少エリアから外れるくらいの場所ならば、交渉しだいで来てくれる可能性もあるでしょう。
まとめ
今回は、福祉整理について解説しました。福祉整理は介護をする人の負担を少しでも減らす目的もあります。ものが少なく、スッキリと片づいた部屋のほうが介護もしやすいでしょう。また、入院や施設入所の手続きをしている間に業者が家を整理してくれれば、準備もはかどるはずです。「家族でできる」と無理をせず、負担軽減を目的に業者を依頼しましょう。そのほうがよい結果につながります。