
廃品回収車の利用は待って! 不用品回収を別案で処理すべき5つの理由
廃品回収車は声をかければ即座に自宅まで来てくれます。
冷蔵庫・テレビ・食器棚など、品目を問わず無料で回収してくれると言うのですから、利用しない手はありませんね。
ですが、考えてもみてください。
タダで不用品回収をおこなえるのはどうしてでしょうか。大音量のアナウンスを街中に響かせる客寄せは、一企業が採用する宣伝方法だと思いますか?
不用品回収は絶対に適切な業者に依頼するべきです。その理由について、今回は記事にまとめてみました。
記事を読むことで、不用品回収の選択肢から廃品回収車がなくなります。初めて不用品を処分する方にもわかりやすく解説していきますので、順を追ってみていきましょう。
1.廃品回収車とは?
最初の項では廃品回収車について基本情報をまとめていきます。無料の不用品回収が可能な理由とは何か探っていきましょう。
1-1.どんなもの?
廃品回収車とは、街中を徐行しながら「家庭で不要となったテレビ・洗濯機などを無料で回収する」といった内容のアナウンスを拡声器で放送している車両です。主に軽トラックを利用しています。不用品回収を生業としていますが、ロゴやカラーリングは車体に施されておらず、一見してどこの会社かわからないのが特徴です。
1-2.目的
廃品回収車の目的は、主に下記の3つです。
【リサイクル】
少し修理して使える不用品をリサイクルショップに回したり、店舗を持っている業者は販売したりします。とはいえ、およそ廃品回収車は自店を持っていないので、第三者に売買するのが常です。
【海外に輸出】
日本の家電製品は海外でも人気があり、輸出することで利益を上げることができます。
廃品回収車の事業主は独自の売買ルートを確保しており、回収した不用品をさばくことが可能です。
【部品ごとに換金】
廃品回収車で運んできた不用品を分解し、「鉄くず」あるいは「金・銀などの希少金属」をお金に換えます。
1-3.業者について
廃品回収車の中には、本当に無料で不用品を回収するところもあります。ですが、中古品を扱う業者は「古物商」の資格が必要であり、処分するにも「産業廃棄物収集運搬」という許可証がなくては営業できません。廃品回収車の業者はおよそこの資格を所持していないため、仮に無料で回収してくれたとして、どちらにせよ違法です。
また、上記で述べた「目的」にかんしても、不法に売買し、分解して不要となった部品を不法投棄します。
もちろん、すべての廃品回収車に当てはまるわけではありません。理由はさておき、中には資格を取得している業者もいるでしょう。ですが、9割の廃品回収車が違法だと念頭に置いておいてください。彼らは見積書・領収書といった書面ももともと用意していません。
1-4.なぜ増えている?
見るからに胡散臭(うさんくさ)いと廃品回収車を煙たがる方は多いですが、街中では依然として不用品回収のアナウンスが響いているでしょう。
理由として、家具家電を処分するには手間がかかることが挙げられます。
「あとで処分しよう」と不用品を自宅のどこかに置いてはいませんか? そのときに廃品回収車を見かけると「話だけでも聞いてみよう」と安易に声をかけてしまう人が多いのです。処分することに対する煩わしさを廃品回収車はうまく突いてきます。
また、定年を迎えた高齢者が増えてきたことも要因と言えるでしょう。大型の家具家電を処分したくてもおいそれとはできない状況が、廃品回収車の被害につながっています。
2.廃品回収車のトラブルについて
前項では廃品回収車そのものについてまとめました。そこで、次は起きているトラブルに注目していきます。実際にどんなトラブルがあり、どんな被害を追うのか、この項で学んでおきましょう。
2-1.多発するトラブル
廃品回収車について「良いサービスだった」「丁寧な応対に感動した」など好ましい話を聞いたことがある人は、少ないと思います。現に、古い統計ですが、独立行政法人「国民生活センター」では2006年だけで300件以上の被害相談が寄せられました。翌年も200件以上が報告されています。インターネットを見ると廃品回収車について警戒を呼びかける書き込みも散見されますが、実状、被害者はあとを絶ちません。現在は1人暮らしの高齢者も多いため、声をかけたのをきっかけに押しきられて被害に遭わないか心配でしょう。
また、被害額は数千円のケースが多いため、泣き寝入りしてしまう方もいます。当然ながら統計のデータには反映していませんので、実際の被害数はさらに増すでしょう。
2-2.トラブル実例
【積み込んでからの請求】
廃品回収車のアナウンス・作業員は無料と言っていたのに、トラックに積み込んだあとに「処分料金」を請求してきます。無料なのは「見積もり・査定」までというのが言い分です。また、急に高圧的な態度で接してくるため、利用者は気後れしてしまう傾向にあります。
【品目によってお金がかかる】
アナウンスではテレビ・洗濯機などを無料で回収すると強調しても、作業員に声をかけると「品目によってお金がかかります」と当然のように言ってきます。「製造された年が古いので2000円ですね」と見積もりのときに種明かしをするケースもあるでしょう。
確かに通常の処分方法ですと、家電リサイクル法でテレビ・エアコンなどにはリサイクル料金がかかります。しかし、廃品回収車は「それでも無料」というのを謳(うた)い文句にしていました。
【不法投棄されていた】
処分料金を支払ったのに、後日近所に不法投棄されていたというケースも多いです。
つまり、廃品回収車がお金を受け取ったその日のうちに公園や道路脇に捨てたことになります。すでに業者に引き渡したとはいえ、自分の家にあったものが道端に放置されているのは、決して気分のいいものではありません。
ましてや、不法投棄は持ち主の責任となります。
行政から通達がくる場合もあり、最悪自分で回収しなくてはいけません。
2-3.なぜトラブルが多いか?
大前提として、利用者には今日中にでも処分したい家具家電があります。
業者は言葉巧みです。廃品回収車の作業員はお金のやり取りになるまで迅速に対応し、会話も丁寧ですので「意外とちゃんとしてる?」と利用者は錯覚しやすいでしょう。
そして、「取り合えず見てみましょう」という決まり文句を投げてきます。
利用者は自分が「処分するための行動を起こしている」と心のどこかで満足し、査定後に料金を請求されても「まあいいか、これで終わるから」と数千円を支払ってしまうのです。
また、断ろうにも業者は威圧的な態度を取ってくることが多いので、自宅を教えてしまった手前、恐怖心から話を進めてしまう方もいます。
2-4.悪質業者について
廃品回収車に住所や電話番号が記載されていなければ高確率で悪徳業者です。店舗を運営する資金がないため街中を回っています。
2-5.トラブル対応策
廃品回収車の利用自体をあまり推奨できませんが、トラブルを未然に防ぐにはいくつか方法があります。
- 見積もり~処分まで無料であることを確認する
- 見積書・領収書を依頼する
- 会社の住所を聞く
- あらかじめ不用品を玄関先・庭・駐車場に移動し、自宅には上がらせない
上記の事柄を注意すれば極力トラブルを防ぐことはできるでしょう。
ただ、業者にもよりますので確実とは言い切れません。怪しいと直感したら利用は控えてください。もし、話を進めてしまい、業者が高圧的な態度で料金を請求してきたら、何かしら理由を付けてその場を離れましょう。そのあと、すぐに警察へ連絡してください。
2-6.相談窓口
廃品回収車について、最も手ごろな相談先が「消費生活センター」です。
ガイダンスに従ってボタンを押してください。お住まいの地域でどう対処したら良いのか、適切にアドバイスしてくれます。
ただ、支払いを断ったら「脅してきた」「家の前を何度も通るようになった」というケースでしたら警察に連絡してください。弱腰になるのはいけませんが、下手に口論すると身の危険もあり得ます。
3.不用品を処分する注意点
ここまで廃品回収車について述べてきましたが、この項では不用品の処分に焦点を当てていきます。不用品はどのように処分すれば良いのでしょうか?
3-1.仕分け
不用品を処分する際は、通常のごみを捨てるのと同様、分別する必要があります。
たとえば、炊飯器でしたら燃やさないごみとして処分できますが、内釜(うちがま)は金属ごみです。
また、「燃える・燃えない」の区別はもちろん、サイズの大きなものは粗大ごみとなり、中には自治体で回収できないものもあります。そのため、不用品回収業者を検討するなど、不用品によって仕分けをおこなう必要があるのです。
3-2.作業の大変さ
不用品の処分には手間がかかります。上記で挙げた「サイズの大きなもの」を無料で処分するなら、場合によっては解体する必要もあるでしょう。タンスなどの木製家具は、のこぎりなどを用いて指定のサイズに切断しなくてはいけません。
3-3.地方自治体によって異なるルール
40cm未満の小型家電製品なら燃やさないごみとして処分できたり、プラスチックを燃えるごみとして出せたり、ごみの扱いは各自治体によって異なります。著しく変わることはありませんが、毎年送られてくるごみ収集のカレンダーやホームページを確認するようにしてください。
収集できないものや粗大ごみの扱いについても解説してあります。
3-4.有料処分になりうるもの
上記で述べた「収集できないもの」ですが、良い例としてテレビ・洗濯機・冷蔵庫・エアコンの4種が挙げられます。「家電リサイクル法」でリサイクルが義務付けられているため、処分する以上は有料です。そのほか、
- パソコン
- オートバイや原動機付き自転車
- 建築廃材(ドア・畳・石材など)
- 重量物(耐火金庫・電子オルガン・ピアノなど)
などが不用品となった場合も、自治体にもよりますが、およそ有料処分となります。
4.不用品回収のさまざまな方法
不用品を処分する大変さについてはわかりました。それでは一体どんな捨て方が良いのでしょうか? 方法を下記にご紹介します。
4-1.自分でやる場合
【自治体】
粗大ごみの扱いでしたら、事前に自治体に連絡して回収日時を予約してください。そのあと、「粗大ごみ処理券」をコンビニあるいは郵便局で購入し、不用品に添付して指定日時に決められた場所へ出しておきます。前日に出すと、廃品回収車のような業者が勝手に持っていってしまうケースもあるので日時は厳守してください。
また、年末の大掃除・引っ越しシーズンなどの繁盛期ですとなかなか予約が取れないこともあります。余裕を持ってあたることが望ましいでしょう。もし予定が合わない場合、事前に連絡をすれば自分でごみ収集センターに運搬することも可能です。
自治体での処分は料金が比較的安い反面、時間と手間がかかります。
【リサイクル】
- 宅配買取(梱包(こんぽう)してリサイクルショップに送る)
- 店頭買取(リサイクルショップに持ち込んで査定・買取してもらう)
- 出張買取(事前に連絡して自宅に来てもらい、査定・買取をしてもらう)
リサイクルするなら、およそ上記の3種類から買取方法を選ぶことになります。リサイクルは買取ですので処分にかかる費用がありません。ただ、状態が悪いなど、ものによっては引き取ってもらえない場合もあるので注意が必要です。
【オークション】
売ることを念頭に置くのなら、オークションを利用する手もあります。
1円から自由に価格を設定できるので、思わぬ高値が付く可能性もあるでしょう。とはいえ、個人とのやり取りになるため、売買でもめることも多いです。あらかじめ複数の写真を掲載し、傷や説明書など付属品の有無を明確に記しておく必要があります。
【家電量販店の利用】
電化製品は販売店で回収・下取りをしてくれる場合もあるので確認してみてください。
新しい商品を購入するのが前提となりますが、正規の店舗が対応してくれるので安心できます。また、今は通販でも下取りサービスをおこなっている業者が多いので、利用される方はぜひ検討してみてください。
4-2.業者に頼む場合
不用品回収をおこなっているのは、なにも廃品回収車に限りません。ご存じの方も多いでしょうが、不用品の買取・回収を専門にしている業者が存在します。廃品回収車と異なり、適切な業者ですとホームページを運営しているため、インターネットで「不用品・回収」と検索してみてください。
見積書・領収書の手配はもちろん、査定の際はきちんと事前に予約します。電話・メールでの問い合わせも無料で気軽にできますので、ぜひ一度連絡してみてください。
4-3.注意点
不用品は処分の方法を選べますが、必ず第三者を介して廃棄・再利用すると留意しておきましょう。適切に扱えば環境保全になります。けれど、反対に不法投棄すれば環境破壊になってしまうのです。そのため、リサイクル・不用品回収業者など問わず、取り引きする相手はきちんと調べるようにしてください。
今は利用する業者も自分で選べる時代です。
選ぶことには少なからず責任が生じますが、軽率な判断でトラブルに巻き込まれた場合は、罪に問われるケースもあり得ます。たとえば、廃品回収車が資格を取得していないのを知っていて不用品回収を依頼すれば、あなたにもその責が問われるのです。
5.不用品回収の業者を選ぶコツ
最後の項は不用品回収業者についてまとめていきます。廃品回収車とは異なる業者です。不用品回収の専門家として見ていきましょう。
5-1.プロに頼むメリット
第一に手間を省くことができます。
正規の業者であれば不法投棄などの心配もないので安心でき、処分にかかる手間や時間を大幅に削減可能です。
第二に安全に処分できます。
不法に処分しないことは大前提として、大型の家具家電を搬出する際にけがをする心配がありません。建物の壁を傷つけることもなく、仮に損傷してしまっても保険に入っているので適切に対応してくれます。
第三は自治体よりも安い場合があるということです。
あなたが処分を検討していても、再利用可能だと業者が判断すれば買取となります。当然ながらお金を払う必要はありませんので、新しい家具家電の購入を検討している方は、出費に充てることも可能です。
5-2.業者選びのポイント
不用品回収業者を選ぶ際は、まずホームページ・チラシで対応エリアを確認してください。チラシの場合は対応エリア内に配布しているのでおよそ問題ないですが、念のため見ておきましょう。
次に、業者の実績や口コミをインターネットで調べてみてください。サービスの悪い業者であれば何かしらのうわさが載っていると思います。また、この際にホームページが見やすいかどうかも、優良業者を見分けるポイントです。
5-3.業者に頼むときのコツ
複数の業者に連絡し、見積金額を比較してください。相場を自身で確かめることで、どこが安い業者なのか見極めることが可能です。
また、対応する態度で業者の質がわかります。あやふやな発言が多く、なんとかして本契約に結び付けようとしているようなところは、この時点で却下してください。
5-4.流れ
不用品回収の流れは難しくありません。季節の変わり目や引っ越しシーズンなど、忙しい時期でも手軽に利用できるよう配慮しています。
- 見積もりの依頼
- 訪問日時の決定
- 出張見積もり
- 買取・商品搬出
上記が一般的な流れとなります。よろしければ弊社のホームページをご覧ください。お客様の手を煩わせることなく済ませることが可能です。
5-5.料金
各自治体・不用品回収業者によって値段は変わります。とはいえ、買取を除いた場合、不用品回収業者に頼んだ方がおよそ割高です。相場はそのときによって異なりますが、
- テレビ「自治体:1500円~3000円」「回収業者:3000円~8000円」
- 食器棚「自治体:500円~3000円」「回収業者:3000円~」
およそ、上記のような値段がかかると見ていいでしょう。
ただ、ケースバイケースです。自治体の方が高く、不用品回収業者の方が安く済む場合もあります。ぜひ一度見積もりをしてみてください。
6.廃品回収車にかんするよくある質問
この項ではインターネットを介して寄せられるお問い合わせ内容をまとめてみました。廃品回収車・不用品回収業者について知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
Q.廃品回収車の放送がうるさいのですが、対処法はありませんか?
A.一度警察に連絡してみてください。警察も徘徊(はいかい)する廃品回収車には頭を抱えており、積極的に対応してくれます。匿名でも通報可能です。
また、通報前に廃品回収車のナンバープレートを控えておくと良いでしょう。ただ、くれぐれもドライバーに気付かれないようにしてください。目の敵にされる可能性があります。
Q.廃品回収車に料金をだまし取られた場合は?
A.だまされたと気付いた時点で、警察に届け出を出してください。被害にあって日も浅いようでしたら、業者はまだ近くにいる可能性があります。自分で探し、仮に発見しても、あなた単独で問い詰めてはいけません。予期せぬトラブルに巻き込まれる危険があります。
必ず警察を挟みましょう。
Q.廃品回収車の作業員はどんな人?
A.本業や副業については判然としませんが、作業員は基本1人です。そのため、大型の家具家電ですと搬出の際に建物を傷める危険があります。
また、移動は「大型」ではなく「軽トラック」がほとんどです。積載量にも限度があり、お客様の都合に合わせて対応することが難しいと言えます。
上記のことから考えても、お客様目線の業者ではありません。インターネットで調べると、口調の乱雑な作業員もいるようです。
Q.不用品回収業者についてですが、見積もりに納得できなかったら断れる?
A.もちろん可能です。また、その際に別途料金を請求することはありませんので安心してください。
Q.不用品回収業者って、回収までに時間はかかるの?
A.即日対応可能です。引っ越しシーズンなどの繁盛期ですと難しい場合もありますが、ぜひ一度お問い合わせください。
まとめ
最後まで記事を読んでいただき、誠にありがとうございます。
廃品回収車の利用に待ったをかけましたが、理由についてご納得いただけたでしょうか?
今は不用品回収業者も即日対応可能であり、トラブルに巻き込まれるリスクを踏まえると、廃品回収車を採用する利点はありません。
もしお住まいの地域で廃品回収車を見かけても、声をかけないようにしてください。不用品回収は適切な業者に依頼し、環境に配慮して適正に処分しましょう。