
老人ホームへの引越しに必要な事前準備~手続きから荷物の整理まで~
老人ホームへの引越しを検討しているなら、入居準備をしておきましょう。入居するにあたって必要なもの、持って行くものを用意するために、身の回りの荷物を片づけなければなりません。何が必要で、いつから準備を開始するべきなのか、どうやって荷物の片づけをすれば効率的なのか、知っておきましょう。この記事では、老人ホームへの引越し準備についてご紹介します。
この記事を読むことで、老人ホームへの入居準備がスムーズに進むはずです。ぜひ参考にしてください。
1.老人ホームへの引越しについて
老人ホームに入居するまでの流れや持ちものなどをまとめました。
1-1.入居までの流れ
老人ホームへの引越しを希望しても、入居までの流れが分からなくて不安に思っている人も多いのではないでしょうか。一般的に、資料請求から入居まで1か月以上かかることがほとんどのため、余裕を持って準備を開始することをおすすめします。大まかな流れは以下の通りです。
- 電話またはメールで問い合わせをし、資料を請求する
- 資料が到着したら内容を確認し、見学の予約を入れる
- 施設の見学、体験入居をする
- 必要書類を用意し、契約する
- 実際の入居日を決定し、引越し準備をする
- 入居する
1-2.手続き・書類関係について
入居の手続きに必要な書類関係は、主に以下のようなものです。
- 健康保険証
- 介護保険者証
- 後期高齢者医療被保険者証
- 施設の利用同意書
- 通帳の口座番号と銀行の支店名
- 銀行印
- 緊急時連絡先票
- 住民票
- 戸籍謄本
- 健康診断書
1-3.持参するもの
持参するものについては施設によって異なりますが、主な施設では以下のようなものを持参することになるでしょう。
- カーテン
- テレビ
- タンス
- 冷蔵庫
- 食器
- 衣類
- タオル類
- 靴
ベッドはレンタルも可能な場合が多く、洗濯機は共有の施設も少なくありません。必ず事前に確認しておきましょう。また、電子レンジやトースターなど発火の恐れがあるもの、はさみや裁縫針などの刃物などは持ち込みが禁止されている施設が多くなっています。
1-4.注意点
老人ホームを選ぶ時は、できるだけ複数の施設を見学するようにしましょう。サービス内容や立地・費用・緊急時の対応など、何を重視して選ぶかは人それぞれだと思います。複数の施設を比較することで何が重要かが分かってくることもあるため、最初から一つに絞らずに視野を広げてホーム探しをすることが大切です。
2.老人ホームへの引越し前の準備
次に、引越し前の準備についてまとめました。
2-1.いつごろから始めるのか?
準備の開始時期については、状況や荷物の量によっても変わってくるでしょう。たとえば、一人暮らしをしていた高齢者が、老人ホームに入居するにあたって家を空き家にする場合は、片づけに相当な時間がかかります。片づけが必要な荷物の量や内容を確認し、必要な準備期間を考えてみてください。
2-2.準備すること、もの
老人ホームに持って行くもの・持って行かずに残すもの・処分するもの、に仕分けして荷物を整理しましょう。本人の意思を尊重しながら、家族で選定するのが一番です。不要なものは買い取りに出す、知人に譲るなどして処分するのもよいでしょう。引越しを業者に依頼する場合は、業者選びも進めておいてください。
2-3.確認すべきこと
老人ホームに入居するにあたって、いくつか確認しておくべきことがあります。まず、本人に最終の意思確認をしましょう。本当にその老人ホームへの入居に納得しているのか確認することは、何よりも大切です。次に、身元保証人・身元引受人を確認してください。預ける家族側の責任や役割をはっきりさせておくことも、非常に重要です。そして、必要であれば住居の処分方法を検討しましょう。同居していた場合は問題ありませんが、別居していた場合は、その住居を売却するのか・賃貸に出すのか・取り壊すのか、など決めておかなければなりません。
2-4.注意点
所持品の整理や処分については、あくまでも本人の意思を尊重しながら行ってください。家族にとっては不用品に見えても、本人にとっては大切なものもあるでしょう。勝手な判断で処分してしまうと、トラブルの原因にもなりかねません。
3.老人ホームへの引越し、荷物の片づけについて
引越しにあたって必要な荷物の片づけについてご紹介します。
3-1.片づけについて
荷物の片づけは本人や家族が行うことも可能です。しかし、荷物の量が多い場合、大型の不用品が多い場合などは、作業が非常に大変になってしまうでしょう。処分方法についても、種類によって異なります。分別にも時間がかかりますし、粗大ゴミや家電リサイクル法の対象品目などはある程度の手間が必要です。ほかにも準備しなければならない書類などもあるため、無理をせずプロに依頼することも検討しましょう。
3-2.プロに依頼する方法
依頼先としては、引越し業者や不用品回収業者があります。それぞれの方法やメリットをまとめました。
3-2-1.引越し業者
高齢者向けのプランを用意している引越し業者も少なくありません。荷造りやこん包といった通常の作業だけでなく、臨時介護スタッフが常駐するサービスや、各種手続きの代行サービスなどもあるため、ぜひチェックしてみてください。また、オプションサービスとして、不用品の処分をしてくれる引越し業者もあります。不用品の片づけと引越しを同時に済ませられるため、大変効率的な方法と言えるでしょう。
3-2-2.不用品回収業者
不用品の回収や買い取りを行っている業者に依頼する方法もあります。状態のよいものは買い取り、悪いものは回収という形で引き取ってくれるため、確実に不用品を処分することが可能です。自宅まで回収に来てもらえるので自分で運ぶ必要もありません。
3-3.費用について
料金設定は業者ごとに異なります。事前に複数の業者に無料見積もりを依頼し、比較して決めるようにしましょう。そうすることで、大まかな相場を知ることにもつながります。また、できるだけ費用を抑えたいのであれば、回収と同時に買い取りを受け付けている業者を選ぶのがおすすめです。
3-4.業者選びのポイント
不用品回収・買い取りの業者は全国にたくさんあります。その中から「どの業者を選んだらよいのか分からない」という人も多いでしょう。業者を選ぶ際には、以下のポイントを参考にしてください。
- 回収や買い取りに必要な許可を得ている
- 無料見積もりを受け付けている
- 見積書の内容が明確である
- 豊富な実績がある
- スタッフの対応が丁寧である
3-5.注意点
必要な許可を持たずに営業している業者を利用すると、さまざまなトラブルに巻き込まれる可能性があります。実際に「見積書と違う高額な料金を請求された」「回収した不用品を不法投棄された」という例も報告されているのです。特に、事務所の所在地を明らかにせず、トラック1台で近所を回っているような業者には注意してください。電話番号が固定電話ではなく携帯電話になっている業者も利用しないほうがよいでしょう。万が一トラブルが起きた時、逃げられてしまう可能性があります。
4.老人ホームへの引越しに関するよくある質問
「老人ホームへの引越しについて知りたい」という人が感じる疑問とその回答をまとめました。
4-1.入院していた病院を退院して、そのまま老人ホームに入居する場合、必要な書類はありますか?
A.入院中の状況を引き継ぐために、健康診断書や診療記録などの書類を提出する必要があります。病院に依頼してから入手するまで時間がかかる場合もあるため、早めに手配してください。
4-2.親が老人ホームに入居しますが、精神面で心配です。どのようにケアしたらよいでしょうか?
A.ホームでの生活に慣れるまでは、できるだけ頻繁に顔を出すようにしましょう。誰がどのくらいの頻度で会いに行くかなど、親族間で話し合いをしておくことをおすすめします。
4-3.老人ホームに入居する場合、住民票の異動は必要ですか?
A.すべての老人ホームがそうというわけではありませんが、住民票の異動が必須である場合もあります。事前に確認しておいてください。
4-4.親が老人ホームに入居するにあたって、生活用品などを新しく買い替えるべきでしょうか?
A.高齢者は普段から使い慣れたものを好む場合が多いため、本人に確認して意思を尊重しましょう。
4-5.不用品を買い取りに出そうと思います。どうすれば高く買い取りしてもらえますか?
A.家電などは動作に問題がないか確認し、できるだけきれいな状態に掃除しておきましょう。付属品や外箱があればすべてそろえておくと査定アップにつながります。
まとめ
いかがでしたか? 老人ホームへの引越し準備について詳しくご紹介しました。入居にあたって事前に準備しておかなければならないことはたくさんあります。特に、荷物の整理や片づけが必要な場合は、どうすれば効率的に進めることができるのか考えておきましょう。ぜひこの記事を参考にして、スムーズな引越しをしてください。