狭小住宅に住んでいる方必見! 収納を上手に行う工夫は?

都市部など、地価が高いところでもどうしても一戸建てを建てたい、という方に人気なのが狭小住宅。50平方メートル(15坪)以下の土地に家を建てるのですから、当然収納スペースも狭くなります。

そこで今回は、狭小住宅の収納アイデアをご紹介しましょう。ちょっとした工夫で、収納スペースは増やせます。また、狭小住宅に住む際の心構えなどもご紹介しましょう。狭くても一戸建てが欲しいと思っている方や、狭小住宅を建てる予定がある方は、ぜひこの記事を読んでみてくださいね。

  1. 狭小住宅の定義
  2. 狭小住宅で収納スペースを確保する工夫は?
  3. 日本人は昔から狭小住宅に住んでいた?
  4. 狭小住宅に引っ越す前にしておきたいこと

1.狭小住宅の定義

狭小住宅とは、延べ面積が50平方メートル(15坪)以下の住宅のことを指します。東京都や大阪府の平均的な一戸建ての広さが、64平方メートル~74平方メートルですので、それに比べてもだいぶ狭いでしょう。

中には、7坪や8坪といった住宅もあります。家は広ければよいというものではありませんが、やはり面積に余裕があった方が収納スペースは多めに作れるでしょう。狭小住宅は、生活していく設備を収めるのに手いっぱいで、クローゼットや押し入れなど通常の一戸建てならば当然備え付けられている収納スペースが、つけられない場合も少なくありません。

しかし、だからといって狭小住宅が住みにくいか、といえばそうでもないのです。狭いならば狭いなりに収納スペースを作る方法はあります。その方法を次の項でご紹介しましょう。

2.狭小住宅で収納スペースを確保する工夫は?

では、狭小住宅で収納スペースを確保するには、どのような工夫をすればよいのでしょうか? この項では、その一例をご紹介します。

2-1.デットスペースをすべて収納にかえる

前述したように、狭小住宅はクローゼットや押し入れなど、まとまった収納スペースを作るのが難しいケースも多いです。その代り、階段の下や扉の裏など通常ならばデットスペースになってしまう場所を、すべて収納スペースにしてしまうとよいでしょう。

また、意外に盲点なのは壁です。壁面は平らで広いですから、一面に厚みのない収納家具を作りつけたり、ネットなどを利用して簡単に作れる壁面収納場所などを作成したりしてみましょう。

さらに、床下に食糧庫を作ってみたり屋根の代わりに屋上を作り、物置を設置したりするなどの方法もあります。家の設計をする際に、建築家や工務店などとよく相談してみましょう。

2-2.収納家具を利用する

ベッドの下やソファーの中が収納スペースになっている家具は、意外に多いのです。タンスや衣装ケースなど収納専門の家具を使うより、何かと兼用できる収納家具の方が狭小住宅には便利でしょう。ただし、収納家具であれば何でもよいというわけではありません。

狭小住宅は、当然ですが部屋も広いとはいえないでしょう。ですから、サイズを測って使いやすいものを購入してください。どうしても既製品ではサイズが合わないという場合は、思いきってオーダーメイドをしてもよいでしょう。

2-3.持ち物を厳選する

生きている限り、どうしても持ち物は増えていきます。しかし、狭小住宅の場合は収納スペースがより限られていますので、より持ち物を厳選する必要があるでしょう。年々増えていく持ち物の代表といえば、服と本です。

また、子どもがいる場合はおもちゃ類なども増えていきやすいでしょう。欲しいものを欲しいだけ買っていれば、すぐに収納スペースからはみ出てしまいます。ですから、狭小住宅に住む場合は定期的に持ち物を見直して、収納スペースに入る分だけものを持ちましょう。

2-4.トランクルームの利用も視野に入れる

使う季節が限られているものは、どうしても収納スペースを占領しがちです。しかし、キャンプ用具やスキー、スノーボードなどは収納スペースに入りきらない場合も多いでしょう。使う時期が限られており、なおかつ収納スペースに入りきらないものは、トランクルームを利用しましょう。

月々の使用料はかかりますが、野ざらしにしておいたり無理やり家の中に置いておいたりするよりはましです。トランクルームにはサイズがありますので、預ける荷物が少量ならば賃料もそれほどかからずに済むでしょう。

また、バーベキューなどのレジャー用品は、レンタルできるものならレンタルで済ますのもおすすめです。使う季節が限られているレジャー用品は、お手入れの仕方もなかなか難しいもの。使うときだけレンタルできれば、それに越したことはないでしょう。

3.日本人は昔から狭小住宅に住んでいた?

ところで、狭小住宅はごく最近のものというイメージを持っている方もいるでしょう。しかし、狭小住宅の歴史は古いのです。江戸時代にはすでに登場していました。時代劇や落語に出てくる「九尺二間(きゅうしゃくにけん)の裏長屋(うらながや)」というのは、一般庶民が最も多く暮らしていた家の広さで、現代の単位に直すとわずか4.5畳程度のワンルームだそうです。

昔は持ち物が少なかったとはいえ、この広さに3〜4人で住んでいたと言われています。ですから、昔から使われている生活用品というのは、コンパクトで小さくたためるものが多いのですね。つまり、日本人は昔から狭い空間を有意義に使うことが得意なのでしょう。

4.狭小住宅に引っ越す前にしておきたいこと

では最後に、狭小住宅に引っ越し前にやっておきたいことをご紹介しましょう。引っ越してからも行えますが、事前に行っていた方が便利なのです。

4-1.持ち物を厳選する

狭小住宅の収納スペースは、狭くて分散しています。ですから、クローゼットや押し入れの中身を丸ごと新居へ移す、ということは難しいでしょう。引っ越し荷物を作るときに、いらないものは始末しましょう。どうしても捨てきれないものは、一度トランクルームなどに保管して、様子を見てください。半年預けておいて、思い出すこともなかったらそれはあなたにとって必要のないものです。

4-2.物を買うときは、よく考える習慣をつける

狭小住宅は、生活スペースもコンパクトです。ですから、ものを増やし続けていればすぐに生活空間がなくなってしまうでしょう。ものを買うときはよく考える習慣をつけてください。まず収納スペースを確保してから買うようにすると、ものが生活スペースを圧迫することもありません。

また、代替え品やレンタルで済ませられるならば、できるだけそのようなサービスを利用しましょう。

まとめ

今回は、狭小住宅の収納アイデアや工夫についてご説明しました。

まとめると

  • 狭小住宅では、デットスペースをフル活用しよう。
  • 持ち物を厳選し、本当にいるものだけを収納しよう。
  • 収納家具を上手に使おう
  • ​トランクルームなどの利用も視野に入れよう。

ということです。

テレビなどで時々狭小住宅の特集が組まれますが、皆さんとても上手に持ち物を収納しています。しかし、狭小住宅に住むすべての人が、上手に収納ができるとは限りません。試行錯誤をくり返しながら、少しずつ収納が上手になっていくのです。ですから、まずは持ち物を厳選して、生活スペースを十分に確保することを目標にしてみましょう。

特に、新しくものを増やす場合にはよく考えてください。さらに、収納スペースにものを詰め込みすぎると雑然とした印象の家になります。ですから、収納スペースには常に一定の空きを作っておきましょう。