相続トラブルでお悩みの方は必見! 主な原因や解決法を徹底解説!

「相続トラブルが発生して困っているが、よい解決法はないか」「相続トラブルを予防する方法を詳しく知りたい」とお考えではありませんか? 特に遺産が多い場合や複数の相続人がいる場合は、相続トラブルが発生しやすくなります。しかし、できることならなるべく円満に収めたいですよね。そのためには、相続トラブルがどんな原因で起きやすいか、どんな方法で解決すべきかを知る必要があります。

そこで今回は、相続トラブルについて詳しく解説しましょう。

  1. 相続トラブルの現状
  2. 相続トラブルでよくある事例
  3. 相続トラブルの原因は?
  4. 相続トラブルを解決する方法
  5. 相続トラブルを防ぐ方法
  6. 相続トラブルに関するよくある質問

この記事を読むことで、相続トラブルの原因や解決法などがよく分かります。まずは、記事を読んでみてください。

1.相続トラブルの現状

最初に、相続トラブルの現状について見ていきましょう。

1-1.相続トラブルが年々急増している

相続トラブルは、年々急増しているのが現状です。特に問題なく良好な人間関係を築いていた場合であっても、相続が発生すると一転して骨肉の争いになるケースも少なくありません。中には、相続トラブルがきっかけで、絶縁してしまうケースも多く見られます。親族だからこそ、さまざまな感情や思惑が入り乱れてトラブルが深刻化しやすいのです。

1-2.家父長制が崩れたことも一つの原因

家父長制が崩れたことも、相続トラブルが増加した原因の一つです。一昔前までは、長男が一家の大黒柱として、相続でも有利な扱いをされてきました。そのため、長男が実家などの主な遺産を相続することに異論を唱える人は少なかったのです。しかし、現代では家父長制が崩れ、生まれた順番にこだわらずに子どもそれぞれが自分の権利を主張するようになってきています。もはや、長男が財産を有利に相続して当たり前という時代ではないのです。

1-3.核家族化が進んだことも影響している

相続トラブルが増えたのは、核家族化が進んだことも影響しています。今は、子どもたちが親と同居せず、独立して生活するのが多数派です。そのため、親が亡くなったときに子どもたちがお互いの事情をよく知らず、それぞれの権利を一方的に主張して相続トラブルに至る例が増えています。

2.相続トラブルでよくある事例

相続トラブルでよくある事例を詳しく見ていきましょう。

2-1.遺産が自宅だけで相続人が複数人いる

遺産が自宅だけで現金や預貯金などがほぼない場合、相続人が複数いるとトラブルに発展しやすくなります。たとえば、親と同居している子どもが自宅を相続して暮らしたいとしても、離れて暮らす子どもが法定分の相続権を主張するケースなどです。離れて暮らしている子どもでも、法律で相続人として認められている以上は、遺産をもらう権利があります。遺産が自宅だけの場合は、家を売る・売らないで長期間もめた挙げ句、相続人がいずれも引き下がらずに調停に持ち込まれるケースも多いのです。

2-2.相続税の支払いが困難

自宅を相続する場合、評価額によっては各種控除を適用しても相続税がかかります。しかし、遺産として現金や預貯金が多く残されていなければ、自分のお金で支払う必要があるでしょう。そのため、多額の相続税が支払えず、結果的に自宅を売却せざるを得ないケースも多く、住むところを失ってしまうことが問題となっています。

2-3.特定の遺産を相続したい人が複数人いる

特定の遺産を相続したい人が複数人いる場合も、相続トラブルになりやすいので注意しましょう。たとえば、複数の不動産が相続対象になっている場合、より好条件の物件に人気が集中しがちです。投資用マンションや立地条件がよい物件を相続したがる人ばかりになると、うまくいきません。

2-4.まったく知らない人物が相続権を主張してきた

まったく知らない人物が相続権を主張してきて、大きなトラブルに発展することがあります。特に多いのが、故人の実の子どもを名乗るパターンです。生前から親子として交流があった、生前に財産をもらう約束をしていたと主張し、財産の分割を希望してきます。実際に隠し子であったケースもあれば、詐欺だったというケースもあるので、慎重に対応することが大切です。なお、まったく知らない人物が相続権を主張してきたら、事実関係を明らかにするためにも、探偵事務所などに依頼して身元調査を進めるとよいでしょう。

3.相続トラブルの原因は?

相続トラブルに発展する主な原因を詳しく見ていきましょう。

3-1.遺言書が存在しない

遺言書が存在しないと、相続トラブルが起こりやすくなります。遺言書が存在しない場合は、法律に沿って遺産分割をするのが原則ですが、相続人それぞれが自分に有利な条件を提示しがちです。生前に口約束をしていた、故人と同居していたのだから自宅はもらって当然だなど、相続人同士が争う例が多く見られます。

3-2.遺産の売却が困難

遺産の売却が困難なことも、相続トラブルの原因になります。特に、遺産のほとんどが不動産の場合は、売却が困難なケースが多いので注意しましょう。たとえば、過疎地に古い家と土地がある場合では、なかなか買い手が付かないことがあります。実際に売却が困難な遺産は誰も相続したがらず、トラブルに発展しやすいのです。

3-3.特定の相続人と連絡が取れない

特定の相続人と連絡が取れないのも、よくあります。相続の手続きでは、相続人全員の承認が必要です。しかし、故人と前妻との間にできた子どもの連絡先が分からない、行方不明になっている親族がいるなどの場合は、スムーズに手続きを進めることができません。また、行方不明でなくても何らかの理由で電話に出てくれない、手紙を出しても返事がないなども困るケースです。

3-4.相続人同士の人間関係が悪い

相続人同士の人間関係が悪いと、相続トラブルが発生しがちです。中には、顔を合わせたくないという理由だけで、相続の話し合いを拒否するケースも見られます。親族といえども、性格や価値観が合わない人がいて当然です。中には、お互いの連絡先も知らない、葬儀にも参加しないという例もあります。普段から付き合いや信頼関係がなければ、相続トラブルに発展しやすいのも自然なことです。

4.相続トラブルを解決する方法

相続トラブルが発生した場合の解決方法を詳しくご紹介します。

4-1.相続人全員でよく話し合う

相続トラブルが発生したら、まずは、相続人全員でよく話し合いましょう。中には、言葉の行き違いが原因で誤解が発生していることがあります。よく話し合うことで、お互いの立場や考えを理解できることもあるでしょう。ただし、お金が絡むと感情的になりやすいので、なるべく冷静に対応することが大切です。また、後になって話をひっくり返されないためにも、話し合いの内容をきちんと記録しておきましょう。

4-2.弁護士に相談する

相続トラブルが発生したら、弁護士に相談することもおすすめです。法律の知識に基づいて適切なアドバイスを受けられるので、心理的にも楽になります。また、第三者が間に入ることで、客観的な見方ができるため、問題がスムーズに解決しやすくなるのもメリットでしょう。なお、弁護士に相談すると、相談料として数十万円程度のお金が必要になる場合があります。

4-3.家庭裁判所で遺産分割調停を受ける

相続人同士で話し合ったり弁護士が間に入ったりしてもトラブルが解決しない場合は、家庭裁判所で遺産分割調停を受ける方法があります。一刻も早くトラブルを解決し、相続手続きを完了させるためにも有効な方法です。より詳しい内容は、裁判所の遺産分割調停に関するページを参考にしてください。なお、実際の手続きは、弁護士に依頼して進めるとよいでしょう。相続手続きに詳しく実績が多い弁護士なら、安心して依頼できます。

5.相続トラブルを防ぐ方法

生前にしっかり準備しておけば、相続トラブルを防ぐことも可能です。どんな予防方法があるか具体的に見ていきましょう。

5-1.財産をすべて把握しておく

財産をすべて把握しリスト化しておくと、相続トラブルの予防になります。たとえば、複数の銀行に預金がある、株式や不動産を複数所有しているなどの場合は、特に重要です。遺産相続では、故人の遺産をすべて把握することから始めます。しかし、後から故人の口座などが見つかることも多いのです。遺族に無駄な負担をかけないためにも、所有財産をすべて把握し、リスト化しておきましょう。

5-2.相続人の連絡先をこまめにアップデートしておく

相続人の連絡先をこまめにアップデートしておくことも心がけましょう。実際に相続が発生したときに相続人に連絡しようとしても、いつの間にか引っ越していたり電話番号を変更していたりすると、手間がかかります。また、同時に親族の相関図をきちんと作成してしておくことも大切です。親族の相関図があれば誰が相続人になるのか分かりやすく、連絡もスムーズにできます。

5-3.遺言書を書いておく

遺言書を書いておくことで、相続トラブルを予防できます。死亡者本人が作成した遺言書があれば、相続人たちも納得せざるを得ません。なお、遺言書は自筆で作成する方法もありますが、公正さを維持するためにも、公正証書遺言として作成しておくことをおすすめします。公正証書遺言の作成方法は、日本公証人連合会の公証事務に関する説明ページを参考にしてください。

5-4.財産をなるべく現金化しておく

不動産や貴金属類などの財産は、なるべく現金化しておきましょう。相続では、現金や預金以外の遺産が多い場合にトラブルが多発しているからです。相続人が複数いる場合は、公平に分割するために遺産を売却する必要があります。しかし、特定の相続人が売却を拒否すれば、たちまち泥沼化するでしょう。また、遺産の内容によっては、すぐに売却できずに相続争いが長期化する可能性があります。遺族のためにも、財産はなるべく生前に現金化しておくことが大切です。

5-5.生前贈与を活用する

生前贈与を活用するのもおすすめです。相続人の希望に添うようにある程度の財産を贈与しておけば、相続トラブルになりにくいでしょう。また、生前贈与は税制面でも優遇されているので、より多くの財産を残すことができます。なお、いつ・誰に・どれぐらいの財産を贈与したかきちんと記録に残しておくことが大切です。後日、生前贈与された・されなかったというトラブルを予防できます。

6.相続トラブルに関するよくある質問

最後に、相続トラブルに関する質問に回答します。それぞれ参考にしてください。

Q.相続人の配偶者が遺産分割に反対しているのですが?
A.相続人の配偶者には相続権がありません。したがって、法的には反対意見を無視しても構わないことになります。ただし、後々までわだかまりを残すことになるので、いったん主張をすべて聞いておくことも必要です。

Q.男性の相続人に有利な分割をすべきか?
A.必要ありません。性別に関係なく、法律に基づいて分割してください。

Q.遺言書を偽造した場合でも相続権は残る?
A.遺言書を偽造した場合は、相続権を失うため相続を受けることが一切できません。また、有印私文書偽造罪に当たるため、懲役や罰金を科せられることもあります。

Q.相続人が行方不明で見つからない場合はどうする?
A.相続人の所在が分からない場合は、不在者財産管理人を選出して手続きする必要があります。多くの場合、不在者財産管理人は弁護士や行政書士に依頼することになるでしょう。不在者財産管理人は、行方不明の相続人が現れるか死亡が確認されるまで、相続分の財産を管理することになります。

Q.いったん和解したのに相続してからクレームを出す親族がいるのですが?
A.和解して相続が完了している以上、クレームを出されても無視して構いません。いくら親族であっても不当な要求をしてくるようでは、今後の付き合いを一切やめることも考えたほうがよいでしょう。

まとめ

今回は、相続トラブルについて詳しく解説しました。相続トラブルが発生したら、何が原因か見極めてなるべく早く解決する必要があります。まずは、親族同士よく話し合ってみてください。話し合いが決裂した場合は、弁護士に相談して和解の道を探りましょう。最終的には、家庭裁判所で調停を受けることになります。相続トラブルは、長期化・深刻化しやすく、心身ともに大きな負担がかかるので注意してください。なお、生前にきちんと遺言書を作成しておく、生前贈与を活用するなどの方法により相続トラブルを予防することも可能です。