エンディングノートの書き方を紹介! 遺言状との違いは何?

今、エンディングノートへの関心が高まっています。「家族のことを考え、エンディングノートを書きたい」と考えている人も多いことでしょう。その一方で「エンディングノートを書きたいがやり方が分からない」と悩んでいる方もいると思います。そこで今回は、エンディングノートを書くメリットやおすすめの書き方を紹介しましょう。

  1. エンディングノートのメリットや必要性
  2. エンディングノートの書き方
  3. 満足できるエンディングノートを書くコツ
  4. エンディングノートに関するよくある質問

この記事を読めば、エンディングノートに書くべきことや書いてはいけないこともよく分かります。エンディングノートを書きたい人やエンディングノートに興味がある人は、ぜひ読んでみてくださいね。

1.エンディングノートのメリットや必要性

はじめに、エンディングノートを作るメリットや必要性を紹介します。

1-1.エンディングノートは家族のために書くもの

エンディングノートとは、書いた人が亡くなった後に家族が遺産の相続や遺品整理をスムーズに行うために作るものです。現在、遺品整理や遺産相続で悩む人が増えています。「故人が複数の金融機関に貯金をしていたり、隠れて借金をしていたりして遺産相続が難航している」というケースも珍しくありません。このほか、「故人が大切にしていた遺品がたくさんあるが、価値も分からず片づけに苦労している」というケースもあります。特に、遺産は亡くなってから3か月までに相続か放棄かを決めなければなりません。故人の財産を把握するまでに時間がかかると、相続放棄に間に合わなくなります。愛好者には価値の高い遺品を家族が安価で売却したり、処分したりしてしまうこともあるでしょう。エンディングノートは、このようなことを防ぐために作るものです。

1-2.エンディングノートは自由に作れる

自分の死後、家族に自分の意志を伝える手段としては、遺言状があります。遺言状は法律に要件や書き方が定められており、これらを満たしていないと無効です。一方、エンディングノートに法律による縛りはありません。自分が死後、家族に伝えたいことや望むことを自由に書くことができます。また、書式や書き方にも制限がないので自分が作りやすい方法で作ることが可能です。たとえば、大学ノートに書いたり、パソコンのワープロソフトを利用して書いたりすることができます。ただし、エンディングノートは遺言状のように法的な効力はありません。ですから、財産の分配方法を自分で決めたい人は遺言状とエンディングノートの両方を作ってください。

1-3.エンディングノートは遺族に心の余裕をもたらす

人が亡くなると、やることや手続きが目白押しです。故人の遺産がなかなか把握できず、遺品整理も思うようにいかないと、家族は故人をしのぶ心の余裕すらなくなります。エンディングノートを書くことで、遺族は故人の財産や遺品の内容・価値・分配方法、故人が希望する葬儀のやり方などが分かるはずです。そうすれば、遺族も心に余裕を持って故人を見送ることができるでしょう。

2.エンディングノートの書き方

この項では、エンディングノートの書き方を具体的に解説します。ぜひ、参考にしてください。

2-1.エンディングノートは何を書いてもよい

前述したように、エンディングノートは何を書いてもかまいません。家族との思い出や感謝の言葉を書いてもいいでしょう。でも、エンディングノートの役割を考えると、以下の項目でご紹介するようなことは最低限書いておくのがおすすめです。

2-2.遺産には借金のことも書く

遺産は、法律で相続が放棄できる期間や相続税などが定められているため、遺族がすぐに全容を把握できるようにしておくことが大切です。以下のようなことを書いておきましょう。

  • 貯金の額・預け先の金融機関・キャッシュカードや通帳の保管場所(インターネットバンキングのパスワードも含む)
  • 株をはじめとする有価証券の額や預け先
  • クレジットカードの枚数や種類
  • 借金の額や借り先(住宅ローン・クレジットローン・奨学金・個人的な借金など)
  • 所持している不動産
  • 入っている保険(生命保険や入院保険)
  • 互助会(葬儀の積立金など)
  • 年金(特に、企業の年金に加入している場合は加入先や番号を記しておく、年金手帳の保管場所も書く)

借金は可能な限り家族には秘密にしておきたい人もいると思いますが、遺産を相続してから借金が発覚するとトラブルの元になります。借金の額や返済期間も忘れずに記してください。また、個人的にお金を貸している場合、貸した人や借金の額も書いておきましょう。

2-3.個人で契約しているものはすべて書く

携帯電話・プロバイダー・NHKなど、自分が契約しているものや連絡先を書いておきましょう。亡くなった後は解約が必要です。また、SNSやパソコンにログインするためのパスワードも忘れないでください。

2-4.医療や介護のことも書いておく

高齢になったり命に関わる病気になったりすると、本人の意識がなくなり、家族が延命治療の有無などを決めなければならないことがあります。自分の意志が決まっている場合、延命治療の有無や終末医療(ターミナルケア)の希望などを書いておきましょう。主治医がいる場合は相談して決めてもいいですね。また、介護をする人に伝えておきたいことや介護される際の希望なども書いておきましょう。さらに、かかりつけ医の名前や電話番号、服薬している薬・持病なども書いておくといざというときに役立ちます。

2-5.友人や知人・家族のこと

自分の家族や親族の名前や続柄、連絡先を書いておくといざというときに慌てて連絡先を探さずにすみます。同様に、自分が亡くなったことを伝えたい友人・知人、遺品を譲りたい人なども書くといいですね。

2-6.葬儀のやり方や納骨の方法について

現在は、宗教に関係なく自分の希望する方法で葬儀を行う人も増えています。希望する葬儀の方法や、納骨のやり方がある人は書いておきましょう。さらに、以下のようなことも書いておくと遺族が葬儀をスムーズに行えます。

  • 遺影に使いたい写真
  • 菩提寺や氏子になっている神社の名前・連絡先
  • 喪主になってほしい人
  • 葬儀の費用(費用をためている場合は、預けてある金融機関や通帳の保管場所も記す)
  • 葬儀の規模(密葬にしてほしいなど)
  • 葬儀に呼びたい人の名簿

2-7.自分のことも記しておく

自分の名前・住所・電話番号・本籍地・住民票を置いてある場所など、自分に関することも詳しく記しておきましょう。特に、独身のまま長い間過ごして親兄弟とも疎遠になっている場合は、マイナンバーや免許証をしまってある場所なども記しておいてください。

3.満足できるエンディングノートを書くコツ

この項では、自分で満足できるエンディングノートを作るコツを紹介します。

3-1.エンディングノートは一気に書かなくてもよい

エンディングノートは、時間がたつと新しいことを書き加えたくなることもあります。書くことが新たに出てくるたびに、何度もノートを作り直している人もいるかもしれません。しかし、何度も同じことを書くのは大変です。ノートはあらかじめ余白を多めに取って作成し、後から書き加えられるようにしておくといいでしょう。ルーズリーフのようにページを継ぎ足せるものを使うのも1つの方法です。

3-2.財産分与を自分が決めたい場合は遺言書を作る

前述したように、エンディングノートに法的な効力はありません。ですから、財産分与の方法を自分で決めたい場合は、遺言書を作りましょう。遺言書は法的な効力があります。

3-3.ノートは1冊にまとめておく

「書きたいことがたくさんあってノートが1冊では足りない」という人もいると思います。しかし、エンディングノートを何冊も残しておくと、遺族は確認だけでも大変です。可能な限り1冊にまとめておきましょう。

3-4.エンディングノートを作るときは家族の意見も聞く

エンディングノートに書いたことはあくまでも個人の希望なので、遵守する必要はありません。しかし、家族ならば「可能な限り本人の意志を尊重したい」と思うでしょう。でも、遺品整理の方法など個人の希望が家族の大きな負担になることもあります。ですから、家族の手を煩わせることは、家族に相談して決めるのがおすすめです。

3-5.エンディングノートは分かりやすいところに置く

エンディングノートは、いざというときすぐ手に取れる場所にあるところが理想です。しかし、「個人情報に関わることをたくさん書いたので、第三者に見られると困る」ということもあるでしょう。そこで、第三者には分かりにくい場所に保管して、家族には保管場所を伝えておくのがおすすめです。また、通帳やキャッシュカードの暗証番号は書かない方がいいでしょう。ノートが盗難された場合、口座のお金が勝手に引き下ろされる可能性があります。また、家族が無断でお金を引き出す可能性もゼロではありません。キャッシュカードや通帳があれば暗証番号が分からなくなってもお金は下ろせます。

4.エンディングノートに関するよくある質問

この項では、エンディングノートに関する質問を紹介します。

Q.エンディングノートはパソコンで作り、ファイルで保存しておいても大丈夫ですか?
A.はい。ただし、家族が見ることができなければ意味がありません。パソコンを立ち上げたらすぐに分かる場所にファイルを置いておきましょう。

Q.エンディングノートはいつから作り始めたらいいですか?
A.特に決まりはありませんが、60歳を過ぎたら少しずつ作成し始める人もいます。高齢になるといろいろなことがおっくうになってくるので、体力や気力があるうちに行いましょう。

Q.市販のエンディングノートを購入した方がいいですか?
A.市販のエンディングノートはあらかじめ書いておいた方がよい項目別に記入ができるようになっています。何を書こうか迷っている人には使いやすいでしょう。市販のノートを参考に自分で項目を決めて書いてもいいですね。

Q.エンディングノートは書き直しても大丈夫でしょうか?
A.問題ありませんが、不要になったノートは個人情報が分からない方法で処分してください。無造作に放り出しておいてはいけません。

Q.エンディングノートに書いたことを必ず守ってほしいのですが、守らなかったときにペナルティを与えることはできないでしょうか?
A.必ず守ってほしいことは、遺言状を作成してください。

まとめ

エンディングノートの役割や作るメリット・作り方などがよくお分かりいただけたと思います。エンディングノートは、遺言状ほど格式ばったものではありません。でも、故人の意志や考えを家族に伝えてくれる大切なものです。機会があったら、ぜひ書いてみてください。今は、エンディングノートの書き方講座なども開催されており、いざというときに役立ちます。