
アポ電強盗の対策を紹介! 役立つサービスも活用して被害を防ごう
「離れて暮らす親がアポ電強盗の被害にあわないか心配なので対策を知りたい」という人は多いでしょう。詐欺の手口は年々巧妙化してきていますが、中でもアポ電強盗による被害が急増しています。特に、離れて暮らす高齢の家族がいる場合などは、被害にあうのではないかと心配ですよね。
この記事では、アポ電強盗の手口や事例・対策方法などを詳しくご紹介しましょう。
この記事を読むことで、アポ電強盗の被害を防ぐために心がけることなどが分かるはずです。
1.アポ電強盗の手口は?
まずは、アポ電強盗の手口やオレオレ詐欺との違いなどを解説しましょう。
1-1.電話で情報を聞き出してから強盗に入ること
アポ電強盗の「アポ電」は「アポイントメント電話」の略称で、事前に電話でその家の家族構成や資産状況などを聞き出した上で、強盗に入る犯罪行為のことをいいます。お金を盗み取ろうとしてやみくもに強盗に入っても、その家にお金がなければ盗むことはできません。通常、家に大金を置いている人は少ないため、あらかじめ電話でお金を用意しておくように仕向けるのです。狙われるのは主に高齢者で、家に1人でいる時間帯を電話で聞き出し、犯行に及ぶケースも多くなっています。
1-2.単にお金を「だまし取る」のではなく、強盗に入って「奪い取る」
他人を装ってお金をだまし取る行為といえば「オレオレ詐欺」を思い浮かべる人が多いでしょう。しかし、アポ電強盗はあくまでも「強盗」であり、単にお金をだまし取るオレオレ詐欺とは異なります。実際に強盗に入られ、殺害されてしまったケースもあるのです。
2.アポ電強盗の事例を紹介
実際に起きたアポ電強盗の事例をご紹介しましょう。
2-1.息子を装った電話で2000万円奪われた事例
2019年に東京都渋谷区で発生した事件です。老夫婦のもとに息子を装って「病気になってしまった」と電話があり、自宅にお金を用意していました。その2日後、強盗に入られ、2000万円を奪われてしまったのです。
2-2.詐欺を見破っていたにもかかわらず襲われた事例
2018年、大阪では、詐欺であることを見破っていたにもかかわらず、襲われて現金を奪われてしまった事件が発生しました。金融庁の職員を名乗って「現金の写真を撮らせてほしい」という電話があり、怪しいと思って警察に通報していたのです。安心していた矢先に強盗に入られ、暴行を受けた上に多額の現金を奪われてしまいました。
2-3.被害者女性が遺体で見つかった事例
2019年2月には、東京都江東区で80歳の女性が殺害されるアポ電強盗が発生しました。両手足と口を粘着テープでふさがれ、窒息死した状態で発見されたのです。事件前に、自宅に現金がいくらあるかをたずねる電話がかかってきていました。
3.アポ電強盗の対策方法
アポ電強盗の被害にあわないための対策をご紹介しましょう。
3-1.不審な電話には十分注意する
誰からかかってきたか分からない電話には出ないのが一番ですが、出てしまったときは自分からかけ直す旨を伝えて電話を切りましょう。警察や公共機関からの電話だった場合は、インターネットや電話帳などで番号を調べてからかけ直すようにしてください。できれば、防犯機能付きの電話に変えることがおすすめです。自治体が無料で貸し出しているところもあるため、相談してみるとよいでしょう。また、少しでも怪しいと思う電話があったときは、すぐに警察へ連絡してください。
3-2.1人のときは訪問者が来てもドアを開けない
1人のときは不意の訪問に応じないようにすることも大切です。基本的には居留守を使うようにし、不審な場合はすぐに通報しましょう。また、玄関先には防犯カメラなどを設置するのがおすすめです。
4.アポ電強盗対策に役立つサービスを知ろう
アポ電強盗対策には、以下のようなサービスやアイテムも役立ちます。離れて暮らす高齢の両親や祖父母が心配なときは、利用してみるとよいでしょう。
4-1.おしゃべり人形
詐欺電話の事例をもとに警察と民間が共同で開発したおしゃべり人形「あんしんみーちゃん」は、電話がなると「すぐに信用しちゃダメ」などの言葉で注意を促してくれます。電話に出る前に警戒心を持つことができるため、大変おすすめのアイテムです。
4-2.警察庁の公式Twitter
警察庁は公式Twitterアカウント「警視庁犯罪抑止対策本部」でアポ電強盗に関する情報や犯人がよく使う手口などを随時公開しています。「こんな言葉をいわれたら注意して」「近くでこんな事件が発生したよ」など、高齢の家族に教えてをあげるとよいでしょう。
4-3.高齢者向け緊急通報サービス
セキュリティーサービス会社であるアルソックの高齢者向け緊急通報サービスを利用するのもおすすめです。不審な訪問者が来たときに非常ボタンを押すとガードマンが駆けつけてくれます。
5.アポ電強盗に関するよくある質問
「アポ電強盗の対策について知りたい」という人が感じる疑問とその回答をまとめました。
Q.アポ電は携帯電話にもかかってくるのでしょうか?
A.アポ電の9割は固定電話にかかってきます。そのため、固定電話を解約するのも対策の一つでしょう。最近はシニア向けの携帯電話やスマートフォンも各社から発売されているため、そちらに切り替えることをおすすめします。
Q.アポ電による被害はどのくらい発生しているのですか?
A.2017年には2万5911件、2018年には3万4658件の被害が報告されています。
Q.事件性があるか自分で判断できないのですが、警察に通報してもよいのでしょうか?
A.そんなときは、#9110に電話をかけてください。警察の相談窓口につながるため、事件性や緊急性について相談してみるとよいでしょう。
Q.アポ電強盗のターゲットになりやすいのはどんな家ですか?
A.高齢者の1人暮らしで、多額の現金や資産があることが分かっている家が一番狙われやすくなっています。
Q.息子を装って電話をかけてきても声で分かると思うのですが、なぜだまされてしまうのでしょうか?
A.用件の前に1回電話をかけてきて「風邪を引いて声がおかしくなった」などと伝えてくる手口も多くなっています。警戒心が解かれ、信用してしまう人も多いのです。
まとめ
アポ電強盗の手口や対策方法などを詳しくまとめました。アポ電強盗は、高齢者にとって非常に恐ろしい犯罪です。被害にあわないために、自分自身ができること・家族がしてあげられることにはどのようなものがあるのか、ぜひこの記事を参考に考えてみてください。