
家電をリサイクルする方法は? 主な手順や注意点を詳しく解説!
「不要になった家電をリサイクルしたいけど、どんな方法があるのだろう」「家電をリサイクルするときの注意点を詳しく知りたい」とお考えではないでしょうか?
故障や買い替えなどで不要になった家電でも、ゴミとして廃棄処分するより、リサイクルして有効活用できるに越したことはないですよね。しかし、どんな方法でリサイクルできるのか、どんな注意点があるかなどよく分からないこともあるでしょう。
そこで今回は、家電のリサイクルについて詳しく解説します。
この記事を読むことで、家電をリサイクルするポイントや注意点がよく分かります。まずは、記事を読んでみてください。
1.家電をリサイクルする意味や目的
最初に、家電リサイクルする意味や目的について見ていきましょう。
1-1.貴重な資源を有効活用する
家電をリサイクルする主な目的は、貴重な資源を有効活用することです。家電には、レアメタルをはじめ、再生可能な資源が多く使われています。ゴミとして廃棄処分してしまえば、貴重な資源を有効活用できないばかりか、地球資源の枯渇が心配です。しかし、家電をリサイクルすれば、再生資源や再生燃料として有効活用できます。
1-2.ゴミの総量を減らす
ゴミの総量を減らすことも、家電をリサイクルする目的の一つです。故障や買い替えなどに伴い、不要になる家電が大量に発生します。もしもリサイクルせずそのまま自治体回収にゴミとして出せば、ゴミ処理が追い付かなくなるでしょう。また、ゴミの埋め立て地もすぐに満杯となり、不足してしまいます。家電を適切にリサイクルすることは、ゴミの総量を減らすのに大きな意味を持っているのです。
1-3.有害物質を安全に処分する
家電を適切な方法でリサイクルすれば、家電に含まれている有害物質を安全に処分することが可能です。たとえば、冷蔵庫やエアコンなどに使われているフロンガス、小型家電に使われている鉛などを、安全に処分できます。家電を適切な方法でリサイクルすれば、有害物質が放出されるリスクを大幅に軽減でき、環境破壊などを予防することが可能になるのです。
2.家電をリサイクルする方法
家電をリサイクルする方法について、詳しく見ていきましょう。
2-1.家電リサイクル法に沿って手続きする
家電リサイクル法とは、テレビ・エアコン・洗濯機・冷蔵庫という4つの家電に含まれる資源を有効活用することなどを目的とした法律です。家電リサイクル法に沿ってリサイクルするには、以下の2つの方法から都合のよいほうを選んで手続きしてください。
料金販売店回収方式
- 販売店の店頭で手続きする
- 対象家電の家電リサイクル料金と運搬費用が必要
- 都合のよい日時・場所で回収してもらう
料金郵便局振込方式
- 郵便局の窓口で手続きする
- 対象家電の家電リサイクル料金が必要
- 自分で自治体の指定引取場所に持ち込む
なお、対象家電の家電リサイクル料金は1台に付き数千円程度で、家電の種類やメーカーなどによって異なります。詳しくは、一般財団法人家電製品協会家電リサイクル券センターのホームページで確認してください。対象家電の運搬費用は、1個1,500~6,000円程度です。エアコンや洗濯機を処分する際、販売店に給排水管の取り外しを依頼する場合は別途取り外し費用がかかります。
2-2.小型家電リサイクル法に沿ってリサイクルする
ドライヤーやシェーバーなどの小型家電は、小型家電リサイクル法に沿ってリサイクルすることができます。小型家電リサイクル法とは、小型家電に含まれる資源などを有効活用することなどを目的とした法律です。小型家電リサイクル法に沿ってリサイクルするには、役所や商業施設などに設置してある小型家電専用回収ボックスに投入してください。回収費用は無料です。なお、自治体ごとに対象品目となる小型家電が異なるため、自治体のホームページなどで確認してください。
2-3.パソコンリサイクル法に沿って手続きする
パソコンやパソコン用モニターは、パソコンリサイクル法に沿ってリサイクルすることができます。パソコンリサイクル法とは、パソコンやパソコンモニターに含まれる資源を有効活用することなどを目的とした法律です。パソコンリサイクル法に沿ってリサイクルする流れは、以下を参考にしてください。
- メーカーのリサイクル受付窓口に連絡して回収を申し込む
- メーカーから専用の配送伝票が届く
- メーカーの指示に沿ってこん包し、配送伝票を貼り付けて発送する
上記は、パソコンリサイクルマークが付いているパソコンやパソコン用モニターを処分する場合で、処分費用は無料です。古い機種などでパソコンリサイクルマークが付いていないものは、リサイクル費用と配送費用の合計で、1台数千円程度かかります。より詳しい内容は、一般社団法人パソコン3R推進協会のホームページを確認してください。
2-4.知人や福祉施設などに譲る
まだキレイで十分に使える家電は、知人や福祉施設に譲る方法もあります。たとえば、大画面の液晶テレビや高性能な洗濯機などは、譲り先が見つかりやすいでしょう。まずは、心当たりのある知人や福祉施設などに連絡し、家電を譲り受けてもらえるか確認してみてください。譲り先が見つかれば、kこれまで使っていた家電の寿命を延ばすことができます。なお、福祉施設に譲る場合は寄付という形になるため、譲る側が配送手段を手配したり配送費用を負担したりするのが一般的です。
2-5.販売店の回収サービスに出す
販売店の回収サービスに出すことで、家電をリサイクルすることも可能です。大手販売店を中心に、自社の環境保全活動の一つとして不要になった家電を回収し、リサイクルしていることがあるので確認してみてください。販売店の回収サービスは基本的に有料で、家電1個に付き500~2,000円程度かかるのが一般的です。なお、買い替えを伴う場合は、不要になった家電の回収費用が無料になることがあります。
2-6.買取に出す
不要になった家電でも、状態によっては買取に出すことができる場合があります。家電を買取に出す方法については、以下を参考にしてください。
2-6-1.中古家電買取専門業者に売る
中古家電買取専門業者では、不要になった家電を買取しています。家電の買取実績や専門知識が豊富で、幅広いメーカー・機種が買取対象になるのがメリットです。また、多くの場合で、都合のよい日時・場所で回収してもらえる点も助かるでしょう。買取を希望するときは、業者の査定を受けてみてください。提示金額に納得できる場合は、正式に買取を依頼しましょう。なお、買取専門なので、万が一買取不可になった場合は、引取処分も依頼できません。
2-6-2.リサイクルショップに売る
不要になった家電は、リサイクルショップに買取してもらうことができます。買取を希望するときは、リサイクルショップの店頭などに持ち込んで査定を受けてください。提示金額に納得できる場合は、そのまま家電を引き渡して代金を受け取りましょう。リサイクルショップでは、家電以外の不用品の買取も同時に依頼できます。店頭持ち込みなら、その場で査定~代金受け取りまで済むのもメリットです。なお、リサイクルショップも買取が主体になるため、買取不可の場合は引取処分も依頼できないことがあります。
2-6-3.不用品回収業者に買取してもらう
不用品回収業者でも、不要になった家電を買取しています。買取を希望するときは、業者の査定を受けましょう。提示金額に納得できる場合は、正式に買取を依頼してください。不用品回収業者では、都合のよい日時と場所を指定して回収してもらえるので手間がかからず便利です。また、万が一買取不可になってもそのまま引取処分を依頼できる、家電以外の不用品の買取や引取処分も同時に依頼できるなどのメリットもあります。ただし、買取不可になった場合は別途回収費用がかかることがあるので、確認しておくとよいでしょう。
2-6-4.ネットオークションやフリマアプリに出品する
不要になった家電は、ネットオークションやフリマアプリに出品して売る方法もあります。実際に、ネットオークションやフリマアプリでは、毎日たくさんの家電が出品されているのでチェックしてみましょう。自分で売りたい価格を設定できるほか、タイミングによっては思わぬ高額落札もあり得ます。なお、出品から発送まで日にちがかかるので、急ぎで買取してもう必要がない場合に向くでしょう。また、普段からネットなどを利用しており、自分でこん包・発送することに慣れている人におすすめです。
3.家電のリサイクルを業者に依頼するときの注意点
家電のリサイクルを業者に依頼する場合、いくつか注意点があります。
3-1.信頼できる業者を選ぶ
家電のリサイクルを業者に依頼する場合は、信頼できる業者を選ぶことが基本です。具体的には、以下のポイントを参考にしてください。
- 家電の回収実績が豊富にある
- 回収後の家電をきちんと再販・再資源化している
- 見積もりは無料
- リーズナブルで分かりやすい料金システム
- 都合のよい日時・場所・方法で回収してもらえる
- スタッフの言葉遣いや態度が丁寧で感じがよい
- 顧客からの評判がよい
- 業務に必要な許可を取得済み
3-2.いつまでに処分すべきか考えて方法を選ぶ
家電をいつまでに処分すべきかも、重要なポイントです。たとえば、買い替えに伴う場合なら、ある程度余裕を持って手続きできます。しかし、引っ越しに伴う処分など、特定の日までに処分したいこともあるでしょう。特定の日までに処分したい、急ぎで処分したい場合などは、都合のよい日時と場所で回収てしてもらえる方法を選んでください。
3-3.個人情報が分かるものを取り除いておく
家電をリサイクルする前に、個人情報が分かるものを取り除いておくことも、忘れないようにしましょう。たとえば、パソコンやタブレットなどの情報家電には、個人情報が記録されています。そのまま処分すると、第三者に個人情報が流出し、悪用されることがあるので注意してください。また、家電に写真シールやネームシールなどが貼り付けてある場合も忘れずにはがしておきましょう。
3-4.悪質業者とは絶対に契約しない
たとえ激安価格を提示されても、何かと不安が残る業者とは契約してはいけません。たとえば、以下のようなポイントが当てはまる業者は悪質なので、万が一契約してしまうと、思わぬトラブルに巻き込まれることがあります。
- 突然訪問してきたりしつこく勧誘電話をかけてきたりする
- 女性や高齢者が一人で在宅する時間帯を狙ってやってくる
- 「今だけ通常価格の50%オフ」などと根拠のないお得感を必要以上にアピールする
- 料金システムが不透明
- 何かと理由を付けて家に上がりたがる
- キッパリ断っているのにしつこく居座る
- 強い言葉や態度で契約を取ろうとする
- 依頼していないものまで強引に回収しようとする
- 身分証や社員証の提示を渋る
- きちんとした見積もりや契約書を発行しない
- スタッフの態度や言葉遣いが悪い
- 顧客からの評判が悪い
4.リサイクルできない家電の処分方法
何らかの理由でリサイクルできない家電について、主な処分方法を詳しく解説します。
4-1.自治体回収にゴミとして出す
家電リサイクル法やパソコンリサイクル法などの対象家電以外は、自治体回収に不燃ゴミもしくは粗大ゴミとして収集してもらうことができます。
4-1-1.不燃ゴミ
家電を不燃ゴミで処分する場合は、自治体ごとに決められた曜日・時間・収集場所に出しておくと、無料で処分してもらえます。なお、自治体によっては、指定ゴミ袋に入れる必要があるなど独自の収集ルールがあるので、マナーを守って出してください。
4-1-2.粗大ゴミ
一定以上の大きさの家電は、ほとんどの自治体で粗大ゴミとして有料にて収集してもらえます。家電を粗大ゴミとして収集してもらう場合は、以下の流れで進むのが一般的です。
- 自治体の粗大ゴミ受付窓口に連絡し、家電の収集を申し込む
- 自治体から受付番号・収集日時・収集場所・料金などの指示を受ける
- コンビニなどで料金分の粗大ゴミ処理券を購入する
- 粗大ゴミ処理券に受付番号などの必要事項を記入し、家電に貼り付ける
- 収集当日になったら指定時間より前に収集場所へ家電を運ぶ
- 収集時間以降に自治体が家電を収集する
なお、自治体のゴミ処理場に自分で家電を直接持ち込んで処分してもらうこともできます。より詳しい内容は、自治体のホームページなどで確認してください。
4-2.不用品回収業者に処分してもらう
リサイクルできない家電は、不用品回収業者に処分してもらうことも可能です。不用品回収業者に依頼すると、以下のようなメリットがあります。
- 集荷場所まで運ぶ手間や時間がかからない
- 都合のよい日時と場所で回収してもらえる
- 状態のよいものは買取してもらえることがある
- 家電以外の不用品も引取処分と買取を同時に依頼できる
まずは、業者に連絡して見積もりをもらい、料金などに問題がなければ、正式に依頼するとよいでしょう。
5.家電のリサイクルに関するよくある質問
最後に、家電のリサイクルに関する質問に回答します。それぞれ参考にしてください。
Q.家電をまとめて家電リサイクル法に沿って処分すると安くなる?
A.いいえ。家電リサイクル法の対象家電は、1個ごとに家電リサイクル料金が必要です。また、手続きも1個ごとに行うことになるため、手間がかかります。
Q.プリンターはパソコンリサイクル法の対象家電?
A.いいえ。プリンターは、パソコンリサイクル法の対象家電ではありません。また、家電リサイクル法の対象品目にも当てはまらないため、自治体回収にゴミとして出す、不用品回収業者に依頼するなどの方法で処分することができます。
Q.中古家電を購入したほうがリサイクルになる?
A.はい。中古家電を購入することは、貴重な資源をリサイクルすることにつながります。ただし、中古家電は価格が安い一方で、新品と比較して寿命が短めです。頻繁に中古家電を買い替えるより、新品を購入して長く使うほうが結果的に環境へ配慮できるケースもあります。
Q.古い家電でも買取してもらえるケースがあると聞いたのですが?
A.マニア人気の高い家電は、古くても買取してもらえることがあります。また、家電のデザインによっては、インテリアとしての需要もあるため、買取してもらえるか業者に確認してみるとよいでしょう。
Q.高価買取が期待できる家電の条件は?
A.以下を参考にしてください。
- 有名メーカー品
- 人気機種・カラー
- 限定モデル
- 不具合や故障がない
- 年式が新しい
- 外観に目立つ汚れや傷・破損がない
- 購入時の付属品がそろっている
なお、業者によっても査定基準が異なるため、なるべく複数の業者に査定を依頼して比較してみるのもよいでしょう。
まとめ
今回は、家電のリサイクルについて詳しく解説しました。家電の中には、家電リサイクル法や小型家電リサイクル法に沿って手続きすることで、資源をリサイクルすることができるものがあります。
また、そのほかの家電も、リサイクルして資源を活用でき、まだ十分に使える家電なら、買取に出すことも検討してみるとよいでしょう。
なお、不要になった家電のリサイクルは、信頼できる不用品回収業者に依頼すると、都合のよい日時と場所で回収してもらえるなど何かと便利です。